LNP

栄養生理学研究室

Laboratory of
Nutritional Phisiology

普段摂取する栄養素が体の機能や疾病の予防や治療に効果があるかどうか、 その機序は何かを動物・細胞・ヒトを対象に研究しています。 薬学だけでなく医学的、栄養学的見地から検証しています。

Chronic Kidney Disease

腎臓は、尿をつくることで、体内水分量、血中イオン濃度、血中pHや血圧を調節している大切な臓器です。腎臓の機能が慢性的に低下するとこれらの調節が上手くいかなくなり、全身の臓器に影響がみられます。慢性腎障害が全身に及ぼす影響(合併症)をまとめて研究しています。日本の慢性腎臓病罹患率は成人全体で8人に1人です。しかし、腎不全に対する治療は限られています。わたしたちの研究室では、慢性腎不全による合併症発症機構を解明するとともに普段摂取する魚の脂を使って腎不全の予防や治療方の確立を目指しています。
  • 片倉 賢紀

Eyes

慢性腎障害により網膜の血管が変化し、加齢黄斑変性などの腎性網膜症が起こります。また、網膜に最も多く含まれるDHAが減少します。DHAを摂取させることにより腎性網膜症を抑制できるかを網膜機能を測定したり、網膜中の細胞死を評価することで検証しています。

Skin

慢性腎障害により約8割の方が皮膚の乾燥や掻痒の症状が現れます。現在、慢性腎障害および尿毒素物質が皮膚に与える影響を評価することで慢性腎障害と皮膚障害の関連性を検証しています。

Heart

慢性腎障害により心血管疾患による死亡率が高くなります。その原因として、心臓が肥大し、線維化します。現在は、心血管疾患の予防効果があるDHAやEPAの摂取により、これらが抑制できるかを検証しています。

Liver

慢性腎不全の末期では、体重減少、肝臓重量の減少、肝臓中脂肪量の低下、脂肪酸化の促進がみられます。この原因を解明するため、呼気分析装置を使って、慢性腎障害の進行過程で全身の脂質代謝がどのように変化するかを検証しています。

Brain

慢性腎障害により脳内で炎症を引き起こす細胞が活性化され、新規神経細胞がつくられなくなり、脳機能が低下する事を世界ではじめて明らかにしました。現在は、DHAの摂取によりこれらが抑制できるか検証しています。

Lipid and Fat Burning

ヒトは食べる脂質によって太りやすさ(脂肪燃焼量)、血糖値のコントロール、動脈硬化の起こりやすさ血圧や睡眠の リズムが変化します。脂質には種類があり、常温で固まりやすい飽和脂肪酸(バター、ラード、パーム油など)と、常 温でも固まりにくい不飽和脂肪酸(オリーブ油、菜種油、アマニ油など)で構成される脂質に分類され、マフィンをは じめ一般に流通するお菓子やケーキ生地は飽和脂肪酸を主とした脂質を含んでいます。一方、不飽和度の高い脂肪酸は 、血液中から細胞内に取り込まれたのち脂肪燃焼の増加に関与する酵素や輸送体を活性化する効果を示します。そのた め、取り入れることで脂肪燃焼量が上昇すると考えられています。わたしたちは「脂肪燃焼能力」を高める太りにくい マフィンや菓子パンの開発により生活習慣病を予防・改善する食品をつくることを目指しています。
  • 矢島 克彦

Urine

尿中の分析でエネルギー消費されなかった脂質代謝物の排泄量が減少しました。

Heart

血中の飽和脂肪酸濃度が低下しました。